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OZIOの技法 – 革とシルクスクリーン

アザラシのシルクスクリーン

OZIOの動物シリーズをはじめとするカラフルな図柄のバッグやカードケースは、シルクスクリーンという手法で刷ります。シルクスクリーンとは、版を作ってインクを刷り込む版画の一種ですが、通常は紙や布地などインクが染みやすく平らで均一な厚みの素材に対して用いられ、OZIOのように本革に、しかもワンポイントではなく全体に刷るということを行っているメーカーは国内外でも多くはありません。

なぜなら革は自然のものなので厚みが均一ではなく、ひとつひとつの質感も柔らかさも違うため、均一にインクをのせるのが難しいからです。加えて革は素材として高価なので、一発勝負で失敗できないシルクスクリーンで刷るということはリスクを伴います。

それでもOZIOは作家・永嶺康紀のアートをバッグやカードケース、お財布として皆様の日常に溶け込んだ形で使っていただきたいという想いから長年の試行錯誤を続けてきました。

 

OZIOのシルクスクリーン 3つのこだわり

そんなOZIOのこだわりの技法としては大きく3つのポイントがあります。

まずは版の製作。OZIOの図柄は大胆な表現の中に緻密な部分もあり、図柄ごとに版のメッシュ(編み目)の大きさを変えています。これは通常の紙や布にプリントする際にはない工程です。

次に染料(インク)の調合。これは色を作るために混色すると同時に濃度(硬さ)の調節が重要です。濃過ぎて硬いと色や線がかすれてしまいますし、薄いと滲んでしまいます。どんな革にどんな図柄を刷るのかによって毎回調合が変わります。これはとても微妙で感覚的なものです。決まった配合レシピにすることはおそらくできないでしょう。

そして最後に刷りの作業です。前述した通り革は厚みが均一ではないため、刷るときの力加減を微妙に変える必要があります。なかなかインクの入らない革の場合は版をピッタリ同じ位置にセットし、2度、3度と刷ることもあります。特にスウェードやベロアのように毛羽だった革に刷るのはまさに職人技と言えるでしょう。革の上に毛がある状態でも、滲まないように垂直に染料を落としていきます。

 

革で表現するということ

革は日々呼吸しています。吸湿して水分を含んだり、また乾燥もします。そんな革の特性を理解し、真摯に向き合い、培ってきた技術でOZIOの職人は今日も製作を続けています。

 

2023.02.14


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